金環日食
金環日食 2012/05/21
「 日本での正真正銘の皆既日食の記録は平安時代に刻まれる。漢文で書かれた史書「日本記略」の記述は、日食がもたらした自然や社会への影響を簡潔に伝えている。
卯辰刻皆虧。如墨色無光。群鳥飛亂。衆星尽見。詔書大赦天下。大辟以下常赦所不免者咸赦除。依日蝕之變也。(午前7時すぎ皆既となった。空は墨のような色で光がない。鳥の群れが乱れ飛んだ。たくさんの星がことごとく現れた。朝廷は詔書を出して天下に大赦した。死刑囚のほか、ふつうは赦されない者もすべて赦した。日食の変事のためである。)
この皆既食帯は、975年8月10日、最大236キロの幅で本州の中心部を縦断した。いまの東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸の6大都市を通る皆既日食は、これまでの二千年間でこれしかなく、今後千年以内にもない。」(式部俊一「情報誌:てんとう虫」より)
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